透析
透析

人工透析は、腎臓の働きが著しく低下し、自力では体内の老廃物や余分な水分、電解質のバランスを維持できなくなった際に行われる治療法です。健康な腎臓は、血液をろ過して尿として排出する役割を担っていますが、慢性腎臓病が進行し末期腎不全に至ると、この機能が失われてしまいます。そのため、体内の毒素が蓄積し、生命を脅かす危険があるため、腎臓の代わりに血液を浄化する「人工透析」が必要となるのです。
当院では人工透析として血液透析、腹膜透析、血液吸着療法(レオカーナ)すべてに対応しております。
血液透析では最新機器を用い30床のベッドがあります。安全な血液透析を行うことに加え、治療時間が長いため少しでもリラックスできる環境と、感染やプライバシーに配慮し2床が完全個室、残りの28床は半個室としゆっくりとした空間を提供します。
またバスキュラーアクセスに対する定期的な検査を行い、シャント狭窄に対して加療が必要な場合は当院にてPTA(シャント血管拡張術)を専門の処置室にて安全に治療をさせていただきます。
腹膜透析にも対応しており、患者さんの日常生活や症状にあわせて治療や管理を行わせていただきます。
血液吸着療法(レオカーナ)は令和3年から保険適応となった下肢閉塞性動脈硬化症(ASO)の治療法です。この治療は透析の有無を問わず治療をすることができます。提携施設と連携し治療対象となる患者さんは当院で加療できますのでいつでもご相談ください。
また血液透析、血液吸着療法を受ける方には無料送迎サービスをしております。お気軽にお問合せください。
人工透析には大きく分けて2つの方法があります。日本では血液透析(HD)が約9割以上を占めており、最も一般的な方法です。一方、腹膜透析(PD)は全体の1割未満と比較的少数ですが、在宅治療の利点から一部の患者さんに選ばれています。
当院では血液透析・腹膜透析・血液吸着療法(レオカーナ)のすべてに対応しております。
血液透析は、体外に取り出した血液をダイアライザー(人工腎臓)という装置に通して老廃物や余分な水分を除去し、きれいになった血液を体内に戻す方法です。透析センターや病院に通って行うことが一般的で、専用の設備とスタッフによる管理のもと、安全に施行されます。一般的に週3回、1回4時間以上かけて行う治療となります。
この方法のメリットは、医療スタッフの管理下で実施されるため安心感があり、透析効率が高く、短時間でしっかりと老廃物を除去できることです。一方、デメリットとしては、週に複数回の通院が必要であること、日常生活の制約が大きいこと、そして内シャントと呼ばれる血管アクセス部位にトラブルが生じることがある点が挙げられます。
血液透析には、あらかじめ腕にバスキュラーアクセスを作成する必要があります。生活スタイルや仕事との両立を考慮しながら、通院スケジュールを調整することが求められます。
腹膜透析は、お腹の中の腹膜を利用して血液中の老廃物や余分な水分を除去する方法です。腹膜にカテーテルを留置し、透析液を注入・排出することで浄化を行います。主に自宅で実施できるため、通院の負担が軽減されるのが大きな利点です。
この方法のメリットは、自宅で行えることによる生活の自由度の高さや、旅行や仕事との両立のしやすさにあります。一方、デメリットとしては、自己管理能力が必要であること、腹膜炎などの感染リスクがあること、長期間の使用によって腹膜機能が低下する可能性がある点が挙げられます。
代表的な腹膜透析には、日中に透析液を交換する「CAPD(連続携行式腹膜透析)」と、夜間に機械で自動的に透析を行う「APD(自動腹膜透析)」があります。生活スタイルに応じて、医師と相談しながら選択できます。
レオカーナは閉塞性動脈硬化症(ASO)難治性下肢潰瘍を治療するための治療として令和3年より適応となりました。体外へ出した血液を吸着型血液浄化器に通し、LDLコレステロール、フィブリノーゲンを吸着し、血液流動性を改善することにより、閉塞性動脈硬化症の末梢血液循環を改善し難治性潰瘍を治療することを目的に使用します。
治療時間は一回約2時間程度です、3か月の間で24回まで保険が適応されますので、潰瘍の状態をみながら治療をすすめていきます。
循環器内科や形成外科などと相談しながら治療選択、治療期間をきめていきます。
人工透析が必要になるのは、主に慢性腎不全が進行し、末期腎不全に至った場合です。末期腎不全の原因となる疾患はさまざまですが、日本においては糖尿病性腎症が透析導入患者の約40%と最も多く、次いで高血圧性腎硬化症、慢性糸球体腎炎が多くを占めています。
糖尿病性腎症
糖尿病による高血糖が長期間続くことで腎臓の血管が損傷し、腎機能が徐々に低下していく
高血圧性腎硬化症
長期間にわたる高血圧によって腎臓の細い血管が損傷し、腎臓が硬く小さくなり機能が低下していく
慢性糸球体腎炎
腎臓の糸球体という部分に慢性的な炎症が起こることで、血尿や蛋白尿を伴いながら腎機能が徐々に悪化していく
透析導入のタイミングは、血清クレアチニンやeGFRといった数値だけでなく、全身状態や症状(倦怠感、食欲不振、むくみ、呼吸困難など)を総合的に判断して決定されます。
導入前には、患者さんご本人とご家族への十分な説明と意思確認が不可欠です。また、血液透析・腹膜透析いずれにしてもバスキュラーアクセスの手術が必要となります。
透析を開始した後は、定期的な通院や自己管理(体重測定、食事制限、水分管理など)を通じて、合併症の予防と体調管理を行っていきます。
人工透析には治療方法ごとに異なる合併症のリスクが伴うため、日常生活での注意点を理解し、医療スタッフとの密な連携を保つことが重要です。
低血圧
透析中に急激に血圧が下がることがあり、めまいや吐き気が生じることがあります。
シャント閉塞や感染
内シャントのトラブルにより、透析ができなくなることがあります。
心血管疾患のリスク増加
慢性的な負担により、心不全や不整脈のリスクが高まります。
カテーテル関連感染症、腹膜炎
最も注意すべき合併症で、発熱や腹痛、混濁した透析排液などがサインです。
腹膜の機能低下
長期使用によって腹膜が硬くなり、透析効率が低下することがあります。
人工透析は、単に身体の機能を補うための治療ではなく、患者さんの人生や生活の質に深く関わる医療行為です。治療を受けながら、自分らしい生活をどのように送るかを主体的に考えることが大切です。
万が一、透析が必要と判断された場合でも、血液透析や腹膜透析など複数の治療方法の中から、個々の病状や生活環境に応じて選択することが可能です。それぞれの特徴や日常生活への影響を十分に理解したうえで、医師とよく相談しながら、最もご自分に適した方法を選ぶことが大切です。
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